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gazebo house

2010年2月25日

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gazebohouse

若いご夫婦と二人の小さなお子さんが暮らす、長崎市に建つ住宅である。


敷地は、15年ほど前に開発された住宅団地の一角だが、旗竿形状が災いしたのか売れ残り、ずっと空き地であった。


「空が地面に降りてきている!」


初めて訪れたとき目にしたこの光景は、どこにでもある住宅街だと思い込んでいたなか不意打ちを食らったようで、特に強く印象に残った。今にして思えば、傾斜地が多い長崎においてはごく当たり前の状況なのだが。


敷地の北の端から先は下りの急斜面である。そのため、南側の道路から、接道義務によって生じた敷地内通路(竿部分)を通して北側境界線を見ると、その先には視線を妨げるものが何もなく、まるで地面に空が降りてきているような光景に映る。そして通路を奥に進むと、まるで空にかっていくような体験をもたらす。


こうした敷地の特徴が生み出す光景や体験を失うことなく、むしろ強化できないか、ということが設計の主題となった。


南面道路に接道する間口3mの細長い形状が生む、南北の軸線上に透明性をもたらすこと。このことが、敷地がもつチカラを最大限に享受し、豊かな生活を生み出す住宅になると考えた。


この目標に沿って、施主の生活上のリクエストや構造、素材が調整され、デザインが決定されていった。


こうして生まれた軸線上の透明性は、「空が地面に降りてきている」状況を失うことなく、この敷地固有の印象的なアプローチとファサードを生み出すこととなった。


また、建物内部においては、眺望や開放感、明るさが余すことなくもたらされ、建物に住むというよりは「環境に棲む」とでもいうような状況を生み出している。このことは刻々と変化する自然のうつろいを取り込んだ豊かな暮らしに繋がっている。


余談だが、竣工後すぐに数匹の鳥がガラスにぶつかり命を落とした。この悲劇により、我々が着目し、透明性とともに内部空間化した軸線が、鳥達にとっても心地良い通り道であったことが顕在化した。ここで暮らす幼い子供達にとってこの体験は、食育ならぬ「住育」の機会となった。

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